株おばちゃん

賃上げは続く?日本経済の夏支度:賢い家計防衛と投資の心構えですわ

皆さま、ごきげんよう。株おばちゃんですわ。 梅雨の晴れ間、窓辺に飾った紫陽花の色が日に日に深まっていく様子に、季節の移ろいを感じるこの頃です。今年の春に吹いた「賃上げ」という温かい春風が、私たちの家計にどのような変化をもたらしたのか、そしてこの先、日本経済はどのような夏を迎えるのか。今年の賃上げは一過性のお祭りなのか、それとも経済の体質改善を示す確かな兆しなのか、気になっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。本日はお茶を片手に、この春風の後の夏日をどう乗り越えていくか、ご一緒に考えてまいりましょうね。

優雅な夏支度と、日本経済を巡る温かい「春風」の振り返りですわ

庭の夏みかんがたわわに実り始める頃、わたくしたちの暮らしにも明るいニュースが舞い込みましたわね。今年の春闘では、多くの企業で昨年に続き、歴史的ともいえる高い水準の賃上げが実現したとの報道が相次ぎました。連合が発表している最終集計に近い途中経過を見ましても、平均賃上げ率は5%を上回る水準で推移しており、30年ぶりの活気を見せているようですのよ。

この動きは、長らくデフレという肌寒い季節に慣れてしまった 日本経済 にとって、まさに待望の「春風」と言えるでしょう。お給料が増えれば、少し贅沢なランチを楽しんだり、欲しかった夏物のワンピースに手を伸ばしたりと、自然とお財布の紐も緩むもの。こうした個人の消費が積み重なって、経済全体を温めていく…そんな良い循環への期待が高まっているのですわ。

しかし、春の陽気が続いたかと思えば、急に夏のような日差しが照りつける日もあるのが季節の常。この賃上げという温かい風が、一時の追い風で終わってしまうのか、それとも日本経済を本格的な成長軌道に乗せる恒風となるのか。それを丁寧に見極めていくことが、私たち個人投資家にとって大切な夏支度になりますのよ。

今年の賃上げがもたらす家計の変化と、消費マインドへの影響ですのよ

さて、お給料の額面が増えたことは、もちろん大変喜ばしいことですわ。けれど、スーパーのレジでお会計をするとき、「あら、お野菜もお魚も、また少しお値段が上がったかしら?」と感じることはございませんか。

大切なのは「実質賃金」という考え方ですの。これは、お台所でお料理をするときの「塩加減」に似ていますわ。どんなに上質なお砂糖を加えても、それ以上にお塩を入れすぎてしまっては、お料理の味はしょっぱくなってしまいますわよね。同じように、お給料という名の甘み(名目賃金)が増えても、物価上昇という塩気(消費者物価指数)がそれ以上に強ければ、実質的に買えるものの量は減ってしまい、暮らしはかえって厳しく感じられてしまうのです。

先月発表されました4月の消費者物価指数を見ましても、生鮮食品を除く総合指数は前年の同じ月と比べて2%台後半の上昇となり、依然としてしっかりとした伸びを示しています。賃金の伸びが、この物価の上昇ペースにようやく追いつき始めた、というのが現状のようですわね。このため、消費動向 にはまだ少し慎重な影が落ちています。日々の食料品や光熱費は節約しつつ、一方で旅行や趣味といった「コト消費」にはお金を使いたい、というメリハリ消費の傾向が強まっているように見受けられますわ。

このまだら模様の消費マインドが、本格的な夏に向けてどのように変化していくのか。家計という名の庭に、賃上げの恵みの雨が隅々まで行き渡るには、もう少し時間が必要なのかもしれませんわね。

持続的な賃上げへの期待と、企業が抱える次なる課題を読み解きましょうね

この温かい春風を持続させるためには、風を送る源である企業の体力が不可欠ですわ。特に課題となりますのが、大企業と中小企業の間の「賃上げ格差」ですのよ。

体力のある大企業が満額回答を示す一方で、多くの方がお勤めの中小企業では、原材料費やエネルギー価格の高騰という逆風に耐えながら、ようやく賃上げの原資を捻出しているのが実情でしょう。この状況で持続的な 賃上げ を実現するには、企業がコストの上昇分を、製品やサービスの価格に適切に転嫁できるかどうかが鍵を握ります。

「価格転嫁」と聞くと難しく感じられるかもしれませんが、これは、丹精込めて育てたお野菜の価値を、きちんとお客様にご理解いただいて、ふさわしいお値段で買っていただくことに似ています。良いものを作っても、安売りばかりしていては、次の種を蒔くための力がなくなってしまいますものね。

そのためには、ただ値上げをするだけでなく、他にはない付加価値を生み出すための「生産性向上」への取り組みが欠かせません。設備投資やDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進め、従業員一人ひとりがより少ない時間で大きな成果を出せるよう工夫すること。これが、企業の収益力を高め、ひいては来年、再来年の賃上げへと繋がっていく大切な道のりなのですわ。

日銀の政策運営と、物価目標達成への道のりを見守る智慧ですわ

経済という大きなお庭を管理する庭師の役割を担っているのが、日本銀行ですわね。日銀政策 は、まさに庭の土壌や水はけを整えるようなもの。長らく続いた大規模な金融緩和という「たっぷりの水やり」を、日銀は一昨年3月にはマイナス金利政策の解除という形で少し手綱を締めましたわね。

日銀がいま最も注視しているのが、「賃金と物価の好循環」が生まれるかどうか、という点です。賃金が上がり、消費が活発になり、それによって企業の売上が伸びて物価が緩やかに上昇し、その利益がまた次の賃上げに繋がっていく…。この美しいサイクルが安定的に回り出すことを、日銀は辛抱強く待っているのですわ。

先週末に開かれました金融政策決定会合では、追加の利上げは見送られましたが、国債の買い入れを減額していく方針が示されました。これは、庭に与える水の量を少しずつ減らしていくことを市場に予告したようなもの。市場では、次の一手である追加利上げの時期について、秋頃ではないか、いや年内はないのではないか、と様々な憶測が飛び交っておりますわね。

わたくしたちは、こうした日々の報道に一喜一憂するのではなく、日銀が丁寧に経済のデータと対話しながら、まるで茶道の御点前のように、一つひとつの所作を慎重に進めている様子を、落ち着いて見守る姿勢が大切ですわ。

私たちのお財布と投資を豊かに育む、賢い夏への備えを考えましょう

さて、こうした経済の大きな流れを踏まえた上で、私たち個人投資家は、ご自身の大切なお財布と資産をどのように育んでいけばよろしいのでしょうか。まさに 家計防衛 の知恵が試されるときですわね。

賃上げの恩恵は、すべての業種に等しく降り注ぐわけではございません。例えば、人々の消費マインドの改善が追い風となる小売業やサービス業、外食産業などは、今後の動向が楽しみな分野の一つでしょう。また、人手不足を背景に、企業の生産性向上を支援するようなITサービスや人材関連の企業にも注目が集まりそうですわ。

一方で、上昇した人件費を製品価格に転嫁しにくい業種や、海外の景気動向に業績が左右されやすい輸出関連企業にとっては、少し我慢の季節が続くかもしれません。特に為替の動向は注視が必要ですわね。先週末の外国為替市場では1ドル157円台で取引を終えましたが、日米の金利差を背景とした円安の流れがどこまで続くのか、これも大きな注目点です。

インフレの時代には、現金や預金だけを持っていると、お金の価値が少しずつ目減りしてしまう可能性があります。新しいNISAの制度なども活用しながら、株式や投資信託といったインフレに強いとされる資産に、ご自身の許容できる範囲で分散して投資しておくことが、賢い家計防衛に繋がるのではないでしょうか。

賃上げの恩恵を享受しつつ、市場の変動を優雅に乗りこなす心構えですのよ

日本経済は今、「失われた30年」とも呼ばれた長いトンネルを抜け、新しい景色が広がる場所へと歩みを進めている最中ですわ。この賃上げの流れが本物となれば、私たちの暮らしや資産形成を取り巻く環境も、大きく変わっていくことでしょう。

もちろん、その道のりは平坦ではないかもしれません。世界経済の動向や金融政策の変更など、市場を揺らす夏の夕立のような出来事も起こり得ます。先週末の東京株式市場も、日経平均株価は4万2000円台に迫る場面もありましたが、方向感の定まらない展開となりました。

大切なのは、日々の株価の動きに心を乱されることなく、ご自身がなぜその企業に投資したのかという「軸」をしっかりと持つことですわ。夏の嵐が来ても、大地に深く根を張る大樹のように、どっしりと構える優雅さを忘れずにいたいものですわね。

賃上げという恵みの風を帆に受けながら、市場の波を賢く乗りこなしていく。そんな素敵な夏にしていきましょうね。本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。また次のお茶の時間にお目にかかれますのを、楽しみにしておりますわ。

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