株おばちゃん

秋の原油高とOPEC+減産:世界経済と株式市場への影響分析

皆さま、ごきげんよう。株おばちゃんですわ。 朝晩の風に、ふわりと秋の香りが感じられるようになりました。虫の音が心地よい季節ですけれど、近頃はガソリンスタンドの価格表示に、少し眉をひそめていらっしゃる方も多いのではございませんか?この原油価格のじわりとした上昇が、実はわたくしたちのお財布事情だけでなく、株式市場全体の空模様にも、静かに影響を及ぼし始めておりますのよ。一体なぜ、遠い国の石油の話が、私たちの暮らしや大切な資産に関わってくるのでしょう。本日は、秋の投資戦略を考える上で大切な原油相場について、温かいお茶でもいただきながら、ご一緒にゆっくりと紐解いてまいりましょうね。

秋めく空と原油価格の行方ですわ

秋の空は変わりやすいと申しますけれど、このところの世界の原油価格も、まさにそんな様子を見せておりますの。ニューヨーク市場で取引されるWTI原油先物価格は、この夏からじりじりと値を上げ、昨晩も一時 1バレル95ドル台 をつける場面がございました。この動きの背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っておりますのよ。

市場の価格というものは、いつだって「欲しい人(需要)」と「売りたい人(供給)」の綱引きで決まります。それはまるで、お庭に置かれたシーソーのようですわ。どちらか一方が重くなったり軽くなったりすると、ギッタンバッコンと動きますでしょう?今の原油市場は、まさに「供給」という座席に乗る人が少なくなって、価格という反対側がふわりと持ち上がっているような状況なのです。

その大きな理由が、石油輸出国機構 (OPEC) とロシアなど非加盟の主要産油国で構成される「OPEC+」の動きですわ。彼らは市場の需給バランスを引き締めるため、協調して生産量を減らす「協調減産」という策を続けております。先日の会合でも、この減産を年末まで延長する方針が示されたことで、「市場に出回る原油の量がしばらくは限られるのではないか」という見方が、価格を押し上げる一因となっているようですのよ。

一方で、需要の側も気になるところですわね。世界経済のエンジン役であるアメリカは底堅さを見せておりますが、欧州では景気の減速感が漂い、中国の不動産市況の停滞など、景気回復の足取りにはまだら模様が見受けられます。ただ、コロナ禍で落ち込んでいた国際的な人の移動が活発になり、航空燃料の需要が回復するなど、下支えとなる材料もございます。この供給と需要のシーソーゲームが、しばらくは続きそうですわね。

原油高が世界経済とインフレに与える影響:私たちの暮らしへの波紋

「原油は経済の血液」と、よく例えられますの。ガソリンや灯油はもちろんのこと、私たちが毎日使うプラスチック製品、化学繊維のお洋服、そして電気を生み出すためにも使われていて、まさに社会の隅々まで巡っております。その血液の値段が上がると、どうなるでしょう?

まず、モノを工場からお店まで運ぶトラックの燃料代が上がります。工場で機械を動かす電気代も、原材料である石油化学製品の値段も上がります。こうしたコストの上昇は、いずれ製品やサービスの価格に上乗せされて、巡り巡ってスーパーに並ぶお野菜やお菓子の値段にも静かに反映されてまいりますのよ。これが、いわゆる「インフレ」を再び刺激するのではないか、という懸念につながるのです。

世界の中央銀行、特にアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、このインフレを抑え込むために、これまで利上げという強いお薬を使ってまいりました。ようやくその効果が出てきて、インフレも少し落ち着きを見せていたところに、この原油高です。もしインフレが再燃するようなことになれば、FRBは利下げの判断を先送りせざるを得なくなるかもしれませんし、金融引き締めが長引くとの観測が市場の重石となってしまいますわ。

実際に、先週発表されましたアメリカの8月の消費者物価指数 (CPI) は、このエネルギー価格の上昇が影響し、市場の予想をわずかに上回る結果となりました。市場参加者は、こうした指標のひとつひとつに固唾をのんで、金融政策の行方を見守っている状況ですのよ。

株式市場への波紋:セクターごとの明暗と日米株式への影響

原油価格の上昇は、株式市場 全体にとっては必ずしも良いニュースばかりではございませんけれど、業種(セクター)によっては追い風になったり、逆に向かい風になったりいたします。ここでも明暗がはっきりと分かれるのが、株式投資の面白いところですわね。

恩恵を受けるセクター

まず、直接的な恩恵を受けるのが、石油や天然ガスを採掘・販売する エネルギーセクター の企業ですわ。仕入れ値が変わらずに売り値が上がるのですから、利益が増えるのは道理ですわね。また、資源の権利を多く持つ総合商社なども、市況の上昇が業績にとってプラスに働くことがあります。

逆風を受けるセクター

一方で、燃料を大量に消費する企業にとっては、厳しい経営環境となります。代表的なのは、航空会社や、トラックで荷物を運ぶ陸運、船で物資を運ぶ海運といった輸送関連のセクターです。燃料費はコストの大きな部分を占めますから、利益を圧迫する要因となりますの。他にも、石油を原料とする化学メーカーや、火力発電の比率が高い電力・ガス会社なども、コスト増に頭を悩ませることになりましょう。

日米株式市場への影響

こうしたセクターごとの綱引きが、市場全体の動きにも影響を与えます。アメリカのS&P 500指数は、金利が高止まりするとの見方から、ここしばらくは上値の重い展開が続いております。本日の東京株式市場も、日経平均株価は終値で 3万8500円台半ば と、前日の終値から100円以上値を下げて引けました。為替が1ドル=148円台後半と円安基調で、輸出企業には追い風のはずなのですが、原油高によるコスト増への懸念が、そのプラス効果を打ち消してしまっているような印象ですわね。

「おばちゃん」流、原油高時代の賢い投資戦略のヒント

さて、このような状況で、わたくしたちはどのように市場と向き合っていけばよいのでしょうか。もちろん、「これを買えば大丈夫」という魔法の杖はございませんけれど、いくつか心に留めておきたいヒントがございますのよ。

まず第一に、こういう時こそご自身のポートフォリオ、つまりお持ちの株の組み合わせの「塩加減」を、改めて見直す良い機会だとわたくしは考えます。一つの業種やテーマに偏りすぎていないか、確認してみるのですわ。

その上で、ひとつの考え方としましては、ポートフォリオの一部に、原油高の恩恵を受けやすいエネルギー関連のETF(上場投資信託)などを、スパイスのように少しだけ加えてみる、という手もあるかもしれませんわね。ETFでしたら、一つの企業に集中するリスクを抑えながら、セクター全体の動きに投資することができます。ただし、資源価格は天候のように変動が激しいですから、くれぐれも「入れすぎ」にはご注意くださいまし。

もう一つ注目したいのが、コストが上がっても、それをきちんと製品やサービスの価格に転嫁できる「値上げ力」のある企業ですわ。独自のブランド力があってお客様が離れない消費財メーカーや、他の会社には真似のできない技術を持つ企業は、こうした逆風の局面でもたくましく利益を確保できることが多いようですの。お台所で塩加減を調整するように、ご自身のポートフォリオの銘柄が、こうした力を持っているかどうか、見つめ直してみるのもよろしいかと思いますわ。

そして何よりも大切なのは、焦らないこと。市場が揺れている時ほど、短期的な値動きに一喜一憂してしまいがちですけれど、そんな時こそ一度立ち止まって、ご自身がなぜ投資を始めたのか、その目的や時間軸を再確認することが肝要ですわ。

おわりに:しなやかに市場の波を乗り越えましょうね

原油価格の動きは、経済という大きな船の航路に影響を与える、潮の流れのようなもの。その流れがどちらに向かっているのかを冷静に観察し、ご自身の投資の船の舵をどう切るか、考えることが大切ですわね。日々のニュースの裏側にある大きな流れを読み解くことで、目先の波に慌てることなく、どっしりと構えることができるようになりますのよ。

大切なのは、情報を鵜呑みにするのではなく、ご自身で「なぜかしら?」と考え、納得して判断すること。これからも皆さまとご一緒に、市場の波をしなやかに乗り越えていくためのヒントを探してまいりたいと思っております。

それでは、また次のお茶の時間にお目にかかりましょうね。

関連記事