株おばちゃん

米国7月雇用統計が示す市場の現実:FRB金融政策と株式・ドル円の展望

皆さま、こんにちは。株おばちゃんですわ。週明けの月曜日は何かと慌ただしくなりがちですけれど、温かいお茶でも淹れて、まずは一息つきましょうね。先週末の金曜日に発表されました米国の7月雇用統計は、市場の予想を上回る力強い結果で、株式市場に少し動揺が見られますわ。この数字が一体何を意味し、わたくしたちの投資にどのような影響を与えるのか。今日はこのあたりを、ゆっくりと紐解いてまいりたいと思いますのよ。

米国7月雇用統計発表後の市場の反応

まずは先週金曜日のおさらいから始めましょうか。日本時間の夜に発表されました7月の米国雇用統計は、市場関係者の多くが「思ったよりもずっと強い」と受け止める、いわばサプライズな内容でございました。

この結果を受けて、米国の株式市場は少し冷や水を浴びせられたような反応を見せましたわね。先週末のニューヨーク市場では、ダウ工業株30種平均が前日比で300ドル以上下落し、特に金利の動きに敏感なハイテク銘柄の多いナスダック総合指数は、1.8%ほど値を下げるなど、主要な指数がそろって下落して取引を終えておりますの。

一方で、米国の長期金利は上昇し、為替市場ではドルが買われる動きが強まりました。ドル円相場は一時1ドル=146円台半ばまで上昇し、円安が一段と進んだ格好ですわ。週明けの東京市場も、この米国の流れを引き継ぎ、日経平均株価は朝方から軟調な展開となっております。さて、市場をこれほどまでに動かした雇用統計の中身、詳しく見てまいりましょうね。

詳細分析:7月雇用統計の主要項目と注目点

雇用統計と申しますと、たくさんの数字が並んでいて難しく感じられるかもしれませんけれど、注目すべき大切なポイントは主に3つございますのよ。

  1. 非農業部門雇用者数:農業以外の分野で、どれだけ働く人が増えたか減ったかを示す数字ですわ。景気の勢いを測る体温計のようなものですの。
  2. 失業率:お仕事を探している人のうち、職に就けていない人の割合です。低いほど、経済が活発で人手が必要とされている証拠になりますわね。
  3. 平均時給:皆さまのお給料が、どれくらいのペースで上がっているかを示す数字です。個人の懐にとっては嬉しいことですが、あまりに急な上昇は物価高(インフレ)の火種にもなり得ますの。

さて、今回の7月の結果はどうだったかと申しますと、この3つのポイントが、いずれも市場の専門家たちの予想を上回る強い結果となったのですわ。

まず、非農業部門雇用者数は、市場予想を大きく上回る、力強い結果となりました。これは、米国の企業が依然として積極的に人を雇い入れていることを示しております。

次に失業率は、市場予想をさらに下回る、低い水準を維持いたしました。歴史的に見ても非常に低い水準でして、お仕事を探している方にとっては、比較的お勤め先が見つかりやすい状況が続いていると言えそうですわね。

そして、FRB(米連邦準備理事会)が特に注視しているのが、平均時給です。こちらは前年の同じ月と比べて、市場予想を上回る、力強い上昇を見せました。お給料の伸びが力強いということは、それだけ消費にお金が回りやすい一方で、企業が人件費の増加分を商品やサービスの価格に上乗せする動きにつながりやすく、インフレがなかなか収まらない原因にもなり得るのです。

労働市場の「温度感」:統計が示す景気の強弱

これらの数字を並べてみますと、米国の労働市場の「温度感」が伝わってまいりますわね。 市場は、これまでのFRBによる利上げの効果で、そろそろ経済も少しずつ落ち着いてくるだろう…いわば、熱が少し冷めて「微熱」くらいになっているのではないかと見ておりました。ところが、ふたを開けてみれば、まだまだしっかりとした「平熱」、いえ、むしろ少し活気があって「熱っぽい」くらいの状態だった、ということですの。

これは、米国の景気が底堅いという証拠でもあり、それ自体は決して悪いことではございません。ただ、FRBが躍起になって退治しようとしているインフレという観点から見ますと、少々厄介な強さとも言えますのよ。

お料理に例えるなら、火を少し弱めてコトコト煮込む段階に入ったと思っていたお鍋が、まだぐつぐつと煮立っているような状態かしら。火加減を間違えれば、煮詰まって焦げ付いてしまうかもしれません。FRBは今、まさにそんな難しい火加減の調整を迫られているのですわ。

FRBの次の一手:雇用統計から探る金融政策の行方

さて、この力強い労働市場の状況を受けて、FRBはこれからどう動くのでしょうか。 FRBには、「雇用の最大化」と「物価の安定」という、二つの大きな使命がございます。今回の雇用統計は、「雇用の最大化」という点では文句のつけようがない素晴らしい結果ですけれど、「物価の安定」という点では、むしろ懸念材料となってしまいました。

特に、先ほど触れました平均時給の力強い伸びは、FRBにとって頭の痛い問題ですわ。お給料が上がれば、人々はサービスにもっとお金を使うようになります。レストランでの食事や旅行、理髪店など、人件費の割合が大きいサービス分野の価格が下がりにくくなり、これがインフレを根強くさせてしまうのです。

この結果、市場ではこれまで高まっていた「FRBは年内にも利下げに踏み切るかもしれない」という甘い期待が、急速にしぼんでしまいました。むしろ、「利下げはまだまだ先の話」「もしかしたら、インフレを抑え込むために、もう一度利上げが必要になるかもしれない」…そんな声が大きくなってきておりますのよ。

もちろん、FRBは雇用統計だけで全ての判断を下すわけではございません。来週以降に発表されます消費者物価指数(CPI)など、他の経済指標の数字も注意深く見ながら、次の金融政策会合(FOMC)に向けて熟考することでしょう。ただ、今回の雇用統計が、金融政策の舵取りを「引き締め方向」に傾かせる、強い材料となったことは間違いなさそうですわね。

市場の反応:株式市場と為替(ドル円)への影響

FRBの金融政策の行方が変わるかもしれない、という思惑は、すぐに 株式市場 と為替市場に影響を及ぼしました。

なぜ、金利がなかなか下がらない(もしくは上がるかもしれない)という見通しが、株価の重しになるのでしょうか。 それは、金利が企業の活動における「コスト」になるからですの。金利が高いと、企業は新しい工場を建てたり設備を導入したりするためにお金を借りにくくなります。また、株式投資の世界では、将来その企業が生み出すであろう利益の価値を、現在の価値に割り引いて株価を計算する、という考え方がありますの。金利が上がると、この「割り引く率」が高くなるため、特に遠い将来に大きな成長が期待されるハイテク企業などの株価は、理論的に下がりやすくなるのですわ。先週末のナスダックが大きく下落したのも、こうした背景がございますのよ。

一方で、為替(ドル円) はどうでしょう。 こちらは日米の金利差が大きく影響いたします。米国の金利がなかなか下がらない、という見方が強まれば、より高い利回りが見込めるドルを買って、相対的に金利の低い円を売る動きが活発になります。その結果、ドル高・円安が進むのですわね。今回の雇用統計を受けてドル円相場が146円台まで上昇したのは、まさにこの動きによるものです。

円安は、自動車や機械などを海外に輸出する企業にとっては追い風となりますが、一方で海外から食料品やエネルギーを輸入する際の価格を押し上げ、わたくしたちの家計にも影響してまいりますから、こちらの動きも目が離せませんわね。

今後の見通し:労働市場の動向を踏まえた投資戦略のヒント

今回の雇用統計は、市場に漂っていた楽観的なムードに、少し現実を突きつける結果となりました。「景気は軟着陸し、インフレも落ち着き、FRBは利下げに転じる」という、皆にとって都合の良いシナリオは、そう簡単には実現しないかもしれない、ということを示唆しております。

このような不透明な時期に、わたくしたち個人投資家はどう心構えをすればよいのでしょうか。 大切なのは、慌てて右往左往しないこと。むしろ、こういう時こそご自身の持っている銘柄や資産の配分(ポートフォリオ、と申しますわね)を、もう一度じっくりと見直す良い機会かもしれませんわ。

例えば、金利が上昇する局面では、貸し出しによる利ざやの改善が期待される銀行などの金融セクターに関心が集まることもございます。また、景気の波にあまり左右されない、食品や医薬品、電力・ガスといった、わたくしたちの生活に欠かせない分野(ディフェンシブ銘柄、と呼ばれますわ)に、改めて目を向けてみるのも一つの考え方ですわね。

もちろん、これが正解というものはございません。大切なのは、ご自身の投資の目的や、どれくらいのリスクなら受け入れられるかを考えながら、落ち着いて判断することですのよ。わたくしは、しばらく市場の「熱」がどちらへ向かうのか、次の物価指数の発表なども見ながら、落ち着いて見守りたいと思っておりますの。

それでは

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