秋の中間決算点検:上期進捗率と想定為替レートで上方修正の期待を探る
皆さま、中間決算の発表が目前に迫ってまいりましたけれど、「どの会社が上方修正を出しそうなのか、何を見て選べばよいのかしら」と迷っていらっしゃいませんか。実は、発表前に手元の資料だけで確かめられる目安が3つございますのよ。上期の進捗率、会社が置いている想定為替レート、そして株価の織り込み具合ですわ。今日は、お茶を一杯いただきながら、この3つの点検の作法をゆっくりお話しいたしますわね。
秋の決算シーズン開幕前:静けさの中で進める銘柄点検の作法
本日10月12日は体育の日あらため「スポーツの日」の祝日で、東京市場はお休みですわ。直前の取引日は9日の金曜日になりますわね。相場が静かなこの時間こそ、決算前の点検にうってつけですのよ。料理でいえば、お客さまがいらっしゃる前に台所の食材を確かめておくようなものですわ。
3月期決算企業の中間決算は、10月下旬から本格化するのが例年の流れでございます。来週以降、発表の予定が少しずつ増えてまいりますわね。なお、上方修正は中間決算の席で発表されるとは限りませんの。事前に別のリリースで出る会社もございますから、「発表日まで何も起きない」と決めつけないのがよろしいですわ。
点検に使う資料は、難しいものではございません。各社の 決算短信 と 決算説明資料 は、会社のホームページや東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)で誰でも読めますのよ。今年5月ごろに出た通期予想と、その中の想定為替レートの記載を、まずお手元に並べてみましょうね。
上方修正の鍵を握る「上期進捗率55%」と「企業の想定為替レート」
進捗率とは、通期の会社予想に対して、上期(4〜9月)の時点でどれだけ利益を稼いだかという割合ですわ。単純に半年なら50%が目安ですけれど、わたくしは 55%前後 を一つの目印にして眺めておりますの。ただし、これは法則ではなく、あくまで経験則の目安ですわ。
55%を超えている会社は、予想が少し控えめだった可能性がございます。「お弁当の量を多めに見積もっていたら、もう半分で足りてしまった」というイメージですわね。ただ、下期に売上が偏る会社や、季節性の強い業種は、進捗率が低めに出るのが普通ですのよ。ですから、過去数年の同じ時期の進捗率と比べる のが大切ですわ。数字だけを見て早合点なさらないでくださいましね。
もう一つの鍵が想定為替レートですわ。輸出企業は、通期予想をつくるときに「1ドル=〇〇円で計算しました」と置いておりますの。決算説明資料には、1円円安になると営業利益がどのくらい増えるかという 感応度 も載っている会社が多いのですわ。
たとえば、仮に想定が1ドル=145円だとして、上期の実際の平均レートがそれより円安に振れていたら、為替だけで利益が上振れしやすくなりますわね。これは考え方の例で、実際の数値ではございませんのよ。足元の為替水準は、日経新聞やYahoo!ファイナンスで直前営業日の終値をご自身でご確認くださいましね。点検の手順としては、次のようにすると分かりやすいですわ。
- 通期予想の想定為替レートを、決算説明資料で確認する
- 上期の実績平均レートと比べ、円安・円高どちらにずれたか見る
- 会社が示す為替感応度で、上振れ・下振れの規模をざっくり見積もる
ここで見落としがちなのが、下期の想定ですわ。上期が円安でも、下期の想定が実勢より円安側に置かれていれば、かえって下振れの芽になりますのよ。上期だけでなく通期でレートをご覧になるのがコツですわ。
輸出製造業の底力と価格転嫁が進む内需セクターの明暗
為替の追い風を受けやすいのは、自動車や機械、電子部品といった輸出製造業ですわ。円安が続いた局面では、海外での売上を円に換算したときの目減りが小さくなるため、利益が膨らみやすい構造ですのよ。想定レートが保守的な会社ほど、上方修正の「余白」が大きいと考えられますわね。
ただ、為替だけで安心はできませんの。関税や海外需要の動向、原材料の価格といった逆風もございますから、為替の貯金が他のマイナスで相殺されていないかを確かめる必要がございますわ。為替で稼げても、中身が弱ければ、お砂糖を足しても味が整わないのと同じですの。
内需セクターのほうは、明暗が分かれて見えますわ。食品、小売、外食などは、仕入れ価格の上昇分をどれだけ値上げで吸収できたかが勝負ですの。値上げしても客数が落ちない会社は、利益率が守られて進捗が良くなりやすいのですわ。一方、価格転嫁が追いつかず、円安による輸入コスト増が重くのしかかる会社は、予想の修正が下向きになる心配もございますのよ。
ですから、同じ円安でも「恩恵を受ける側」と「負担する側」を分けて眺めることが肝心ですわ。セクターで一括りにせず、粗利益率や営業利益率の推移、会社が示す値上げの状況を、決算短信で一社ずつ確かめましょうね。
好決算でも売られる「出尽くし」を避けるバリュエーションの確認法
上方修正が出ても、株価が下がってしまうことは珍しくございませんの。これを 材料出尽くし と申しますわ。市場がすでに「上方修正があるはず」と見込んで株価を押し上げていると、実際に発表されたときには「想定どおり」と受け止められ、利益確定の売りが出やすいのですわね。
その確認に役立つのが、バリュエーション、つまり株価の割高・割安の物差しですわ。代表がPER(株価収益率)で、お菓子に例えるなら「1個の値段が、一年で稼ぐ利益の何倍に当たるか」という値札のようなものですの。数値が高いほど、将来の期待が値段に先に含まれていると読めますわ。
見るべきは次の2点ですわ。
- その会社自身の過去数年の予想PER水準と比べて、いまどの位置にあるか
- 同じ業種の他社と比べて、極端に割高になっていないか
もう一つ、直近の株価の動きも大切ですわね。決算前の数週間で急に値上がりしているなら、期待がかなり織り込まれているサインかもしれませんの。移動平均線から大きく離れていないか、チャートもあわせてご覧くださいまし。逆に、業績は良さそうなのに株価が横ばいの会社は、まだ期待が控えめという見方もできますわ。ただし、それが必ず上がる理由にはなりませんのよ。
決算発表前のボラティリティを優雅に乗り切るポジション調整
決算の時期は、株価の振れ幅が普段より大きくなりやすいですわ。発表の直後に、株価が1日で大きく動くことも珍しくございません。ですから、持ち方の工夫が大切になりますのよ。
わたくしがよくお伝えするのは、「一つの会社に気持ちを預けすぎない」ことですわ。決算発表をまたぐ銘柄は、持ち株全体の中で比率が大きくなりすぎていないか、いま一度見直してみましょうね。お台所でいえば、塩加減は一度に入れず、味を見ながら少しずつ足すのが基本ですわ。株数も、一度に増やしたり減らしたりせず、数回に分けて調整なさると、気持ちにも余裕が生まれますの。
また、手元の現金を少し残しておくのも、立派な戦略ですわ。決算の結果を見てから動けるように余力を持っておけば、慌てずにすみますのよ。発表日は各社の決算発表予定日で確認し、カレンダーに書き込んでおくと安心ですわね。
最後に、ここでお話しした目安はあくまで判断材料の一つで、結果を保証するものではございませんの。個別の銘柄をどう扱うかは、ご自身の資金計画と許容できる値動きに照らして、どうぞご自身でお決めくださいましね。わたくしなら、まず手元の資料で進捗率と想定為替レートを確かめ、それから静かに発表を待ちますわ。


