ドル円150円と米CPI直前:為替感応度で点検する輸出株と内需株の配分
ドル円が150円近辺で行ったり来たりするなか、今晩には米CPI(消費者物価指数)の発表が控えておりますわね。円高に振れても円安に振れても慌てないために、何を点検しておけばよいのか。そんなお悩みをお持ちの皆さまに、保有株の 為替感応度 に応じた備え方を、お茶をいただきながらお話しいたしますわ。なお、為替の先行きを言い当てるお話ではございませんのよ。どちらに動いても落ち着いていられる準備のお話をお届けいたしますね。
150円の節目で足踏みする為替市場:米CPI前の緊張感と市場の織り込み度
ドル円は150円という大きな節目の近辺で、方向感を探りながら足踏みしている印象ですわ。150円は数字として切りがよく、売買注文が集まりやすい水準です。さらに、過去に政府・日銀の 為替介入 が意識された局面とも重なりますので、市場参加者の警戒心が強まりやすいのですわね。介入の実績や詳細は財務省が公表しておりますから、気になる方はご自身で一度ご覧になってくださいまし。
CPIの発表前は、市場全体が息をひそめる傾向がありますのよ。結果が強ければ「利下げは急がれない」と見られてドル買いが、弱ければ「利下げが進みやすい」と見られてドル売りが意識されやすくなります。ただし、市場予想の数字は情報会社や機関ごとに異なりますので、わたくしは具体的な数字を申し上げませんわ。大切なのは予想との差ですから、ご自分で複数の情報源を見比べてくださいましね。
CPIはお料理でいえば「味見」のようなものですわ。一度の味見で全体のレシピが変わるわけではございませんが、次の火加減を決める大事な手がかりになりますの。今晩は結果そのものより、発表後に為替と米金利がどう反応するかを落ち着いて眺めたいところですわね。
日米金利差の縮小シナリオ点検:FRBの利下げペースと日銀の追加利上げ観測
ドル円を動かす大きな力のひとつが 日米金利差 ですわ。米国の金利が日本より高いほど、高い利息を求めて円を売りドルを買う動きが出やすくなります。反対に、米国の利下げや日本の利上げで差が縮まれば、円には買い戻しの力が働きやすくなりますのよ。
今のポイントは、FRBが利下げをどのペースで進めるのか、そして日銀が追加利上げにどこまで前向きなのか、という二点ですわ。米CPIが落ち着いた内容なら利下げ観測が強まり、金利差縮小の方向に傾きやすくなります。逆に物価が根強ければ、米金利が下がりにくくなり、円安圧力が残りやすくなりますの。
ただし、金利差が縮まる方向であっても、為替は一直線には動きませんのよ。縮小のペースがゆっくりであれば、市場は少しずつ織り込んでいくだけで、大きな円高にならないこともございます。逆に「思ったより早い」と受け止められると、動きが急になることもありますわ。そのため、方向を当てにいくより、どちらのシナリオでも耐えられる形にしておくほうが、品のよい運用だと存じますの。
円高耐性・円安恩恵の二極化:自動車・精密機械から内需ディフェンシブへの点検
ここからが本題の 為替感応度 のお話ですわ。感応度とは、為替が動いたときに業績や株価がどれくらい反応しやすいかという度合いのことで、お料理の塩加減のように、利きすぎても足りなくても味が変わりますのよ。
円安の恩恵を受けやすいのは、海外で稼ぐ比率が高い輸出関連ですわ。自動車や精密機械などがその代表で、円安が進むと海外売上を円に換算した金額が膨らみ、利益を押し上げやすくなります。一方で円高に振れると、その分が逆風になりますの。決算では、各社が置いている 想定為替レート と実勢との差が注目されますので、保有している企業の資料でご確認くださいましね。
反対に、輸入コストの影響を受けやすい内需株や、電力・食品・医薬品といった内需ディフェンシブは、円高局面で相対的に落ち着いて見えることが多いのですわ。ただし、企業ごとに事情は違います。海外展開が進んだ内需企業もあれば、輸入原材料の価格転嫁が上手な企業もございます。業種の看板だけで決めつけず、決算短信や有価証券報告書で、為替の影響についての記載を一度ご覧になってくださいまし。
点検の手順は、次のとおりですわ。
- 保有銘柄を、海外売上比率の高いもの、中くらいのもの、内需中心のものに仕分けする
- 円高・円安それぞれで、ポートフォリオ全体がどちらに偏っているかを確認する
- 偏りが大きすぎるなら、新規の資金の振り向け先で少しずつ整える
売り買いを一度に動かさなくても、新しく入れるお金の配分で調整できますのよ。もちろん最終的な判断は、あなたご自身でなさってくださいましね。
下値・上値のテクニカル節目:146円サポートと152円レジスタンスの攻防
次はチャートの目線ですわ。ドル円では、下側の146円あたりがサポート(下げ止まりやすい水準)、上側の152円あたりがレジスタンス(上値が重くなりやすい水準)として意識されているようですわね。この二つは、わたくしが目安として見ている節目ですので、絶対の境界線とは考えないでくださいまし。
サポートとレジスタンスは、お部屋の床と天井のようなものですわ。床に近づけば跳ね返りやすく、天井に近づけば頭を打ちやすいのですけれど、勢いが強いと突き抜けることもございます。大切なのは、その節目を抜けたあとも定着するのか、すぐ戻されるのかを見極めることですわ。
また、上のほうでは為替介入への警戒が働きやすく、急な円高を招く可能性にも気を配りたいところですわね。下のほうでは、円高が進んだときに輸出株の株価がどこまで調整するかも見ておきたいですわ。為替が節目を割ったときと、株価が割ったときとでは意味合いが少し違いますので、両方を並べて確認すると落ち着いて判断できますのよ。
指標発表前夜の心構え:無理な先回り売買を避け、決算発表シーズンに備える優雅なポジション管理
最後に、発表前夜の心構えですわ。指標前の先回り売買は、結果が出たあとの値動きがどちらにも大きく振れうるので、とても難しいものですの。わたくしなら、無理に大きく賭けず、発表後の反応を見てから動くという選択肢をしっかり残しておきますわ。
発表直後は、ほんの数分で相場が上下に往復することもございます。急いで反応するより、一度お茶をひとくち飲んで、為替、米国の金利、日本株の順に、冷静に確認するくらいがちょうどよいですわね。注文を入れるなら、慌てて成行にせず、価格をご自分で決めた指値にするのもひとつの工夫ですわ。
そして、そう遠くないうちに、企業の中間決算の発表が順次始まる見込みですわね。そこでは、為替の前提が各社の業績見通しにどう反映されているかが、大きな注目点になりますの。ですから今のうちに、保有銘柄の想定為替レート、海外売上比率、為替の影響についての説明を、メモにまとめておくと安心ですわ。
円高でも円安でも、備えさえあれば心は穏やかでいられます。今晩の結果を見たあとも、あわてず、ご自身のペースで、ゆったりと向き合ってまいりましょうね。


