株おばちゃん

「強い火に焦らすスープは濁るもの」米雇用統計のサプライズと、じっくり弱火で育てる資産運用

ごきげんよう、皆様。ようこそ我が家へお越しくださいましたわ。

6月に入り、お庭の紫陽花が美しく色づき始めましたけれど、皆様いかがお過ごしかしら? 本日は、目にも涼やかな紫陽花色の手作りゼリーと、すっきりとした冷たいミントティーをご用意いたしましたの。少しお疲れの心をそっと癒やして、温かく落ち着いたお時間を一緒に過ごしましょうね。

さて、昨日、6月5日の東京市場、そして昨晩の米国市場は、少々激しい「嵐」に見舞われましたわ。 日経平均株価は、前日比 882円57銭 安の 6万6588円12銭 と大幅に下落して取引を終えましたの。1日の値動きとしては、高値が 6万7115円00銭 、安値が 6万5862円21銭 と、かなり上下に揺さぶられた1日でございましたわね。


嵐の日の日経平均と、大地に深く根を張る三つの足跡

このように株価が急に下がりますと、胸がざわついてしまうのも無理はございませんわ。 けれど、そんな時こそ一歩引いて、短期・中期・長期の三つの時間軸から、私たちの歩んでいる道のりを丁寧に見つめ直してみましょうね。

三つの時間軸で見る市場の呼吸

  • 1週間の短期トレンド 今週半ばには、日経平均が史上初めて6万8000円台に乗せるという華々しい場面がございましたわ。そこから見れば、金曜日の下落は急ピッチな登山で火照った体を冷ますための「スピード調整」にすぎませんの。ずっと走り続けられる人はいませんもの、時には立ち止まって冷たいお水を飲む時間も必要ですわね。
  • 6ヶ月の中期トレンド 昨年末からの美しく力強い上昇トレンドは、今回の下落を経ても何ら損なわれてはおりませんわ。企業の業績や、株主を大切にする姿勢(自社株買いや増配など)という「大地の栄養」は極めて豊かでございます。少々の激しい雨風が吹いたからといって、大樹の根元が揺らぐことはありませんのよ。
  • 3年の長期トレンド ふと、3年前の今頃のノートをめくってみましたの。あの頃は日経平均が3万円台前半で推移しており、「これからどうなるかしら」とドキドキしながら見つめていたのを思い出しますわ。それが今や、これほど下がったと言っても 6万6588円台 なのですから、驚くべき成長を遂げているのがよく分かりますわね。 日々の小さなさざ波に一喜一憂せず、この大局的な実りを信じることこそが、知的な投資家としての第一歩でございますわ。

「良いニュースが悪いニュース?」海の向こうのサプライズとメタの風波

さて、今回の嵐の引き金となった、海の向こうの出来事についても優雅に紐解いてまいりましょう。

金曜日の夜、米国で発表された「5月の雇用統計」が、市場に大きなサプライズをもたらしましたの。

5月米雇用統計の主な結果

  • 非農業部門雇用者数(NFP)17.2万人増 (予想 8.8万人増
  • 失業率4.3% (予想 4.3%
  • 平均時給 :前月比 0.3% (予想 0.3% )、前年比 3.4% (予想 3.4%

非農業部門の雇用者数が、市場の事前予想を2倍近くも上回る非常に強い結果となりましたわ。 普通に考えれば「経済が元気で素晴らしいことですわ!」と喜びたくなるところですけれど、今の株式市場は少し天邪鬼(あまのじゃく)なのです。 雇用が強すぎるということは、インフレがなかなか収まらず、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが先送りされるのではないか、という懸念( 利下げ先送り懸念 )を呼び起こしてしまいましたの。 市場にとって「経済が良いニュース」が「利下げを遠ざける悪いニュース」になってしまった、何とも皮肉な現象でございますわね。

さらに、大手IT企業のメタ(旧フェイスブック)が「数百億ドル規模の増資を検討している」との報道が流れ、株式価値の希薄化懸念から同社株が急落。これがハイテク株や半導体・AI関連銘柄全体の利益確定売りを加速させる二重の重荷となりましたの。

その結果、週末の米国市場は以下のような大幅な下落となりましたわ。

  • NYダウ5万0866ドル78セント (前日比 695ドル15セント 安)
  • ナスダック2万5709ポイント43 (前日比 1121ポイント53 安、 -4.18% の急落)
  • S&P 5007383ポイント74 (前日比 200ポイント57 安)

為替相場は 160円29銭 近辺と、引き続き安定した円安基調を維持しておりますが、日経平均の先物(シカゴCME)は 6万4245円 あたりまで売られて週末を終えております。

週明けの月曜日は、日本の東京市場も一時的に強い雨が降る(安く始まる)可能性が極めて高いですわ。 けれど、皆様、慌てることはありませんのよ。雨が降っているからといって、お家の中で無理に傘を開く必要はございませんでしょう? ただ静かに、温かいお茶でも飲みながら、雨が通り過ぎるのを待てばよろしいのですわ。


👵 今日のおばちゃん投資格言

実は、今でこそこのように穏やかにお話ししておりますわたくしも、若かりし頃は本当に愚かで、感情に振り回される投資家でございました。 「今買わなければ乗り遅れる」という焦りから、実態のない流行株に全財産に近いお金を投じ、その後の大暴落で一瞬にして大切な資産を失うという大失敗をしておりますの。 あの時はショックのあまり、何週間もお布団から起き上がれず、涙で濡れた天井を見つめるだけの暗い毎日を過ごしましたわ。 けれど、その絶望の底で「感情に負けてはいけない、料理のように丁寧なレシピ(分析)が必要なのだ」と一念発起し、企業の決算書やチャートをボロボロになるまで自習いたしましたの。その時の苦い涙が、今のわたくしの揺るぎない知恵のスープとなっております。

市場が荒れている今だからこそ、皆様の心にお届けしたい格言がございます。

「強い火に 焦らすスープは 濁るもの」 (どんなに美味しいスープを作ろうとしても、焦るあまりに強火でガンガンと煮立たせてしまっては、アクが混ざり合ってスープが濁り、台無しになってしまいますわ。投資も全く同じ。早くお金を増やしたいと焦って無理な取引を重ねたり、急落に驚いて慌ててすべてを投げ売りしたり(お鍋をひっくり返す)しては、せっかくの資産形成が濁ってしまいますの。弱火でコトコトと、時間をかけて旨味を引き出すように、市場の嵐をじっとやり過ごし、企業の確かな強さをじっくりと信じること。これこそが、最後に最高に美味しい果実(利益)を味わうための秘訣でございますのよ)

皆様は、美味しいスープを仕上げる途中で少しスープがパチパチと跳ねたからといって、焦ってお鍋をひっくり返したりはなさいませんわね? 投資も同じこと。市場が一時的に荒れても、じっと弱火のまま、ご自身の歩みを見守ってまいりましょうね。

皆様は、最近の急な値動きの中で、焦って無理に味付けを変をよう(慌てて売買しよう)としてしまいそうになったことはございませんでしたかしら? どうぞ今日淹れた美味しいミントティーを飲みながら、ご自身の穏やかな投資の歩みを振り返ってみてくださいね。

本日も、最後までお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。 それでは、ごきげんよう。