米10年債利回りとS&P500益利回り比較:リスクプレミアムで探る下値支持線
皆さま、ごきげんよう。米長期金利が高いまま落ち着かない中で、「S&P500はもう割高なのかしら」「債券より株を持つ理由はまだ残っているのかしら」とお悩みではありませんか。そんなときは、印象ではなく 株式益利回り と 米10年債利回り の差、つまり株式のリスクプレミアムという物差しで眺めてみましょうね。本日は、この差の読み方と、決算シーズンを前にした下値の見方を、お茶をいただく気分でご一緒に整理いたしますわ。
米10年債利回りの推移と株式市場へのプレッシャー
米10年債利回りは「世界の金利の母」とも呼ばれ、住宅ローンから企業の資金調達、株式の理論価格まで、あらゆる値付けの土台になりますのよ。お料理でいえば出汁のようなもので、出汁の味が濃くなれば、他の具材の味の見え方も変わってしまいますわね。
振り返りますと、2022年からの急速な利上げで利回りは大きく切り上がり、2023年10月には一時5%の大台に乗せました。この時期は、株価の割高感がたびたび議論されましたわね。債券が「何もせずに年5%近く」を提示するなら、株式にはそれ以上の見返りが求められるからですの。
なお、本日時点の10年債利回りの水準は、米財務省が公表する日次のイールドカーブ(Daily Treasury Par Yield Curve Rates)でご確認いただくのが確実ですわ。わたくしは記憶で細かな数字を書くことは控え、見方の枠組みをお伝えしたいと存じます。
「株式益利回りスプレッド」とは?債券と株式の天秤を測る基本
株式益利回りとは、株価に対して企業が1年に稼ぐ利益の割合のことで、PER(株価収益率)の逆数ですの。PERは「このお店を買うのに、年間利益の何年分を払うか」という目安で、益利回りは「買値に対して毎年どれだけ稼いでくれるか」という見方ですわ。
計算の仕組みだけ、切りのよい仮の数字でお示ししますわね。あくまで例ですので、現在の実績値ではございませんことよ。
- 仮にPERが20倍なら、株式益利回りは 1÷20 で5%
- 仮に米10年債利回りが4%なら、差は1%ポイント
- この差が 株式のリスクプレミアム(株式益利回りスプレッド)
債券は満期まで持てば利息と元本が約束されますが、株式には値下がりの危険があります。その危険を引き受ける「お駄賃」が、この差ですのよ。差が大きければ株式に厚みのある報酬があり、小さければ薄い、と天秤で量るように読みますわ。
注意点がひとつございます。益利回りは、直近12カ月の実績利益(トレーリング)で出すか、今後12カ月の予想利益(フォワード)で出すかで値が変わりますの。予想には楽観が混じりやすいので、両方を見比べるのが慎み深いやり方ですわ。
S&P500の現状バリュエーション:リスクプレミアムの歴史的低水準をどう見るか
近年のS&P500は、一部の大型テクノロジー株への集中度が高く、指数全体のPERを押し上げてきた面がございます。その結果、益利回りと10年債利回りの差は、過去の長い平均と比べて薄い局面が続いてきたと、多くの市場参加者が指摘していますわね。こうした 米国株バリュエーション の評価は、確かに慎重さを促すものですわ。
ただ、「薄い」ことと「すぐ崩れる」ことは別のお話ですの。たとえば2000年前後のITバブル期は、この差がほぼゼロ近くまで縮んだ後に、長い調整が訪れました。一方で、差が薄いまま、企業の利益が伸びて時間をかけて調整された例もございます。過去は、すべて同じ結末をたどったわけではありませんのよ。
見るべき点は、次の3つかしら。
- 利益の伸びが、PERの高さを裏付けているか
- 10年債利回りが、上がり続けているのか、高止まりで落ち着いているのか
- 指数全体の数字が、一部の大型株に引っ張られていないか
最新のPERや益利回りは、S&P Dow Jones Indicesの公表資料や、Yahoo!ファイナンスなどの指数データでご確認くださいましね。各社で算出方法が少しずつ違いますので、同じ出典で継続して比べるのがコツですわ。
決算シーズンを控えた下値支持線とセクター選別の視点
来週以降、米国では主要企業の決算が順次出てくる時期に入りますわね。割高感が意識されている相場ほど、決算の中身が株価の足場を左右しやすく、「利益が伸びている」という確認が下支えになりますの。
下値支持線とは、相場が下げてきたときに「このあたりで買いが入りやすい」と意識される価格帯のことです。たとえば200日移動平均線は、過去200日間の平均値段を結んだ線で、いわば相場の「ならし具合」を示すお台所の塩加減のようなものですわ。過去に何度も反発した価格帯や、この移動平均線が重なる場所が、目安に使われることが多いようですの。ただし、割れるときは割れますので、あくまで目安として眺めましょうね。
セクターについては、金利との相性で見ると整理しやすいですわ。
- 公益や不動産は、配当が債券と競合するため、金利上昇に敏感になりやすい傾向
- 金融は、金利水準や利ざやの影響を受けやすく、見方が分かれる傾向
- 情報技術は、将来の利益を重く見られるぶん金利に敏感ですが、利益成長が強みになる面も
どれが良い悪いではなく、「金利がこの先どちらへ動くと誰が楽になるのか」という視点が大切ですわ。個別銘柄については、わたくしなら決算の数字と金利の動きを見比べてから、もう少し様子を見たいところですの。最終的なご判断は、どうぞあなたご自身で。
優雅なポートフォリオ管理:金利高止まり局面でのキャッシュ比率と買い場探し
金利が高い時期は、現金や短期債といった「待つ資産」にも利息がつきますわ。これは、慌てて動かなくても報われる、ありがたい環境ですわね。キャッシュを持つことは臆病ではなく、お客さまをお迎えする前にお座敷を整えておくようなものですのよ。
大切なのは、ご自身の生活資金と投資資金をきちんと分けることです。当面の生活費や、数年内に使う予定のお金は、値動きのある資産に回さない。そのうえで、余裕資金のうち株式に振り向ける割合を、ご自身の安心できる範囲で決めておきましょうね。
買い場を探すときは、「ここしかない」という一点を当てようとせず、時間を分けるのが穏やかですわ。たとえば、数回に分けて少しずつ投資する方法がございます。そして、次のような変化を観察の目印にいたしましょう。
- 10年債利回りが落ち着き、リスクプレミアムの差が広がってくるか
- 決算で利益の見通しが崩れていないか
- 指数が重要な移動平均線の付近で、持ちこたえるかどうか
どれも将来を保証するものではございません。物差しは、天気予報のようなもの。傘を持つかどうかを決める材料にはなりますが、雨を止めてはくれませんわね。落ち着いて、数字とご自身の暮らしの両方を見ながら、ゆったり歩んでまいりましょうね。


