株おばちゃん

高金利下で底堅い金相場:米実質金利とドル動向から探る資産防衛

高金利が続けば、利息を生まない金(ゴールド)は売られやすいはず。それなのに金価格が崩れず、「今から組み入れて良いのかしら」と迷っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。本日の記事では、実質金利とドル、そして地政学リスクという3つの視点から、金が底堅い理由を整理いたしますわ。あわせて、現物・ETF・純金積立の違いと、無理のない配分の考え方もお話しいたしますわね。

高金利下でも崩れない金(ゴールド)相場の現在地

教科書的には、金利が上がると、預金や債券のように利息のつく資産が有利になり、利息のつかない金は魅力が薄れると言われますわ。ところがここ数年の金価格は、その定石から外れた動きが目立ちましたのよ。

わたくしの見立てでは、金価格が高金利に負けていない背景には、少なくとも3つの力が働いているように見受けられますわ。1つ目は各国中央銀行による買い、2つ目は戦争や紛争といった地政学リスク、3つ目は「金利そのもの」ではなく「物価を差し引いた金利」で金が評価されていることです。

なお、本日時点の具体的な価格水準は、日本経済新聞の商品市況欄や、田中貴金属工業の公表する店頭価格などで、ご自身の目でご確認くださいましね。わたくしは記憶だけで数字を並べることはいたしませんの。お台所でも、塩加減は必ず味見をしてから決めますでしょう。それと同じですわ。

「金利がつかない資産」が買われる2つの背景:新興国中銀の備蓄と地政学リスク

まず中央銀行の動きですわ。世界金協会(ワールド・ゴールド・カウンシル)の統計では、2022年以降、各国の中央銀行による金の純購入が年間ベースで歴史的に高い水準で続いてきたと報告されております。特に新興国の中央銀行が、外貨準備に占めるドルの比率を抑え、金を増やす動きが目立ちますのよ。

背景には、2022年のロシアに対する外貨準備の凍結という出来事があると言われますわ。ドルやユーロの資産は、いざという時に使えなくなる可能性がある。その点、金は誰の負債でもない資産ですから、「最後の拠り所」として見直されたのですわね。利息がつかないことより、安全資産 としての信用が重視されているということですわ。

もう1つが地政学リスクです。中東や東欧をめぐる緊張が続くと、株式のような値動きの大きい資産から、いったん金へ資金が逃げ込む動きが出やすくなります。ただし、緊張が高まるたびに必ず金が上がるわけではございませんの。ニュースが出た直後に急騰し、数週間で元に戻る例も珍しくありませんわ。「戦争が起きたから金」と単純に結びつけず、少し長い目で眺めるのが品のよい付き合い方ですわね。

米実質金利とドル指数の推移から見る金価格の調整リスク

ここで 実質金利 のお話をいたしますわね。実質金利とは、名目の金利から予想される物価上昇率を差し引いたものですの。たとえば、お給料が増えても物価がそれ以上に上がれば、暮らしは楽にならないでしょう。それと同じ考え方ですわ。市場では、米10年物の物価連動国債(TIPS)の利回りが実質金利の目安としてよく使われますのよ。

一般に、実質金利が上がると金は重しを受け、下がると追い風になる傾向があります。名目金利が高くても、物価の先行き不安が根強ければ実質金利は思ったほど上がりませんから、金が崩れにくい局面もあるのですわ。逆に、物価が落ち着き、実質金利がじわじわ上がっていく局面には注意が必要でしょうね。

もう1つの重しがドル高です。金は主にドルで値付けされますので、ドルが強くなると、ほかの通貨を持つ人には割高になり、買いが細りやすくなります。ドル指数(DXY)の動きは、実質金利とあわせて確認したいところですわ。

日本の私たちには、為替の影響もございます。円建ての金価格は、おおまかに ドル建て価格 × ドル円レート で決まります。円安が進めば、ドル建ての金が横ばいでも円建てでは値上がりして見えますし、円高に振れれば、その分が目減りいたしますの。

こうして見ると、調整リスクとして意識したいのは次の3点ですわ。

  1. 米実質金利が上昇基調に転じること
  2. ドル指数が強含みになること
  3. 地政学リスクが後退し、安全資産への逃避買いが剥がれること

どれも「今すぐ起きる」と申し上げているのではございません。ご自身が確認する項目として、手帳に書いておくと安心ですわね。

金現物・ETF・純金積立の賢い使い分けと注意点

金への投資手段は、大きく3つございますわ。それぞれ向き不向きがありますのよ。

  1. 金現物(地金・コイン):手元に実物がある安心感は格別ですわ。一方で、購入時の手数料や売買の価格差(スプレッド)が大きく、保管や盗難の心配、購入時の消費税もございます。
  2. 金ETF(上場投資信託):株と同じように証券口座で売買でき、価格の透明性も高いのが魅力ですわ。信託報酬という保有コストがかかりますので、長く持つ方ほど確認が必要ですわね。
  3. 純金積立:毎月一定額ずつ買う方法で、価格が高い時も低い時も少しずつ積み上げられますわ。時間を味方につけたい初心者の方には、取り組みやすい方法ですわね。ただし、取扱会社ごとに手数料の体系が異なります。

どれがよいかは、目的次第ですわ。「長く持って心の保険にしたい」なら積立、「機動的に売り買いしたい」ならETF、「現物を手元に置きたい」なら地金、といった具合です。

注意点として、税金の扱いは商品や取扱形態によって異なりますの。譲渡益が総合課税になるものもあれば、株式と同じ扱いになるものもございますわ。購入前に、取扱会社の案内か税務署、税理士さんにご確認くださいましね。また、金は配当や利息を生みませんので、価格が下がった時に「持っているだけで収入が入る」という慰めがない点も、覚えておきたいですわ。

守りの資産を味方につける:おばさま流・心穏やかなポートフォリオ配分比率

では、ポートフォリオ分散 の中で金をどう位置づけるかですわね。わたくしは、金を「主役」ではなく「お茶会の座布団」のような存在と考えておりますの。主役の株式や債券が揺れた時に、そっと支えてくれる役目ですわ。

配分の目安としては、資産全体の5〜10%程度を上限に考える、といった考え方が一般に語られておりますわ。これはあくまで一般論でございます。あなたのご年齢、収入の安定度、ほかに持っている資産によって、適切な割合は変わりますわ。わたくしの申し上げた数字を、そのまま当てはめないでくださいましね。

続けやすい進め方としては、次のようなものがございますわ。

  1. まずは生活費の数か月分を預金で確保し、そのうえで余裕資金の一部を回す
  2. 一度に買わず、数か月から1年ほどかけて分けて買う
  3. 値上がりして比率が膨らんだら、元の配分に戻すことを検討する

金は、大切な資産を守る頼もしい味方ですけれど、上がり続ける保証はございませんの。実質金利やドルの動きによって、調整が入る可能性も十分ございますわ。「持たないと不安」でも「持てば安心」でもなく、眠れなくならない範囲で少しだけ。そのくらいの距離感が、品のよい付き合い方ですわね。最終的な投資判断は、どうぞご自身でなさってくださいましね。

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